- 奥田毅:Webディレクタ
中小企業のECサイトはShopify(ショッピファイ)がおすすめ
こんにちは、フレブルの「奥田」です。
中小企業さんのECサイトを何度が立ち上げましたが、どこのASPカートを採用するか迷ったりします。「どうして迷うのか?」というと、それほど機能に違いがないからでして。
で、この前ECサイトをカナダ発の「Shopify(ショッピファイ)」で立ち上げました。
日本発のASPカートと比べて使い勝手は違いますが、面白いと思ったのでちょっと深堀してみます!
この記事の目次
Shopify(ショッピファイ)が中小企業向きと思う3つ!!
Shopifyに慣れてる人からみると「いまさら」かもしれませんが、下記の3つが良かったです♪
- 開店したければすぐできる!設定簡単
- 拡張性がたくさん(アプリ)
- 越境ECに強い
私見ですが、中小企業さんは細かい社内コンセンサスより、「思い立ったらすぐやる」とか「こだわりたい・差別化したい」とが強かったりしませんか?
そんな場合、基本シンプルで、拡張性大のShopifyがベストマッチなんです。
では説明していきます。
開店したければすぐできる!設定簡単
私は、今まで日本のASPカートはいくつか関わってきました。
「カラーミーショップ」「MakeShop」「FutureShop」「Stores」「たまごリピート」などなど。どのASPカートも気が利いているし、特に悪いところはありません。
ですが、設定に一定時間をとられてました。
これは日本品質のいいところなのですが、設定や機能が丁寧に作りこまれてるので、入力も丁寧にしなければいけないからで。
また管理画面も細かいので理解するにもちょっと大変だったりします。
そうすると、最速で起ち上げたくても地味に時間がかかってしまってました。
ですがShopifyは、設定や管理画面がとってもシンプルなので結構早く開店までいきつけたんです。これってすごく心地よくて、ストレスが無いというか。
なんでこんなにストレスが無いかっていうと、「カテゴリ構造が無い」ってところなんです。
カテゴリ構造が無い
ASPカートで、カテゴリ構造が無いのは特殊なので最初は戸惑うかもしれません。ですが慣れてしまうと断然簡単。
とにかく商品を登録さえしてしまえば、「コレクション」とという機能でグルーピングするだけです。
グルーピング間違ったり変えたかったら、やりしなおしも簡単。慣れてまうと、この「コレクション」がホント簡単便利なんです。
「コレクション」とは
商品をグルーピングできて簡易的ディレクトリを作れる機能です。
商品登録の際にフラグ(タグ)を登録しておけば自由にグループを作れます。Shopifyの場合、これがカテゴリの替わりになります。
- ツリー型のカテゴリ構造を気にしなくて設定できます。
- フラグ(タグ)以外にも価格帯や在庫などでもグループを作れます。
- コレクションの選択条件を60まで設定できます。
- 人の手で1商品ごと登録する手動コレクションもできます。
簡単に言うと、設定・管理画面をあまり覚えなくていいので、商品登録と最低限のページ設定だけですぐに開店できます。
拡張性がたくさん(アプリ)
私が起ち上げたShopifyサイト(写真のパネル販売)ですが商品販売だけではなく、将来的に「撮影依頼」「カメラ教室」もEC化しようと考えました。
カメラマンのスケジュールが入力できてユーザーはカレンダー上で予約できれば、あとはカート決済できますよね。
で、いろいろ調べたら、日本のASPカートだと難しかった(柔軟性が少ないので)ですがShopifyの「BookThatApp」と言うアプリを見つけました。
(※アプリとはShopifyのプラグインのことです。)
- BookThatApp
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「BookThatApp」は予約型ECサイトができるアプリです。
カレンダーをベースに「ホテル・旅館」「美容室」「飲食」「スクール」「レンタル」などの予約に利用できます。
英語ベースで100%思い通りの機能とは言いませんが、低予算で予約型ECサイトが実現できます。
「BookThatApp」を使えば商品販売がうまくいけば、「撮影依頼」「カメラ教室」もShopifyで受注可能ということになります。
これは独自の戦略にもなるし、画期的ですよね。
いろいろなアプリ
先ほど紹介した「BookThatApp」はアプリの一例です
ShopifyにはSEO、CRM、チャット、メール、レビュー、解析、SNS向けなど様々なアプリがあるので、必要に応じていろいろな機能・サービスが拡張できます。
下記はよく使用されてるアプリです。
マーケティング
- Googleチャネル – 商品をGoogleに掲載でき、類似商品を検索しているユーザーにリーチできる。
- Shopify メール – Shopifyのメールマーケティングツール。購読者にメルマガ送信できる。
コンバージョン
- Product Reviews – 商品にカスタマーレビュー機能を追加することができます。購入者が評価を投稿できる
- CV Recommend – オススメ商品レコメンド機能でおすすめ商品を表示。クロスセルを促す。
ストアデザイン
- PageFlyランディングページ構築 – コーディングは不要で、簡単にデザインされたランディングページ及び商品ページを作成できる。
- HelpCenter | FAQ Chat Helpdesk – FAQ、良くある質問が作成できる。有料プランもチャットも可能。
SNS
- Instafeed ‑ Instagramフィード連携アプリ – Instagram公認フィードアプリ。Shoppable Instagramのフィードを表示。
- Lipify(LINE連携アプリ) – お客様LINEアカウントを連携。LINEへ通知したりOne to oneコミュニケーションできる
越境EC
- BEST Currency Converter – お客様の国に応じて通貨表示を変更できるアプリ。海外のお客様にアプローチ。
- Interlingue – 越境EC向けにストアを翻訳、日本語で使える翻訳アプリ。各コンテンツを Google Translate もしくはDeepLで簡単に翻訳可能。
その他
- Digital Downloads – ビデオ、音楽、アート、写真などのデジタルデータをアップロードして販売できる。
- クイックレンタル – レンタル機能を追加できる日本製アプリ。簡単にレンタル販売を始められる。
これら紹介したアプリはほんの一部で、Shopifyには3,000以上のアプリがあります。
英語版が多いのでハードルが高いのも事実ですが、どうしてもこだわりたいならアプリを開発してしまうという手もあります。
拡張性はかなり高いですよね。
越境ECに強い
これが一番「いまさら何言っての!」かと思いますが、Shopifyは越境ECやグローバルに強いです。
これはカナダ発のASPで、すでに世界175ヶ国以上、100万以上の店舗で利用されてからで、これだけ世界で使われていれば、
- 50以上の言語
- 130ヶ国以上の通貨
- 100種類以上の決済方法
- 海外配送業務
など、いろいろ充実してます。日本のASPではありえません。越境EC、海外市場を狙いたければShopifyの一択でしょう。
50以上の言語
多言語なんですが、「商品ページを翻訳して作ればいいだけしょ」と思いがちです。
でも、実際はそんなに単純なものではありません。
店舗内のナビゲーションや購入プロセスの言葉・アナウンスもすべて翻訳されてなければなりません。
- ちょっと想像してみてください。
- オンラインショップで買おうとカートに移行した時、ところどころ外国語だったら、不安になりませんか?
英語だったらぎりセーフかもですが、中国語とか混じってたら不安になって買うのやめちゃう人もいると思います。
サービスを展開する国の言語にカートASP自体が全て翻訳されてないといけないんです。
(でないと売上は間違いなく落ちます)
Shopifyだと50の言語に対応しているので、基本どの言語・国も狙えるというわけです。
130ヶ国以上の通貨
多言語同様で多通貨もすごく重要です。
自国通貨にあってないと、「抵抗感」「不安感」があるとアンケート結果がでてるようで、売上は間違いなく落ちるでしょう。
Shopifyだと130ヶ国以上の通貨に対応いるので、ほとんどの国に展開可能だといえます。
100種類以上の決済方法
決済方法は多通貨とも関連してますね。
自国通貨で表示できたとしても、決済できなければ意味がありません。
Shopifyだと100種類以上の決済方法を持っているのでほぼ決済できるでしょう。大変便利ですよね。
海外配送業務
最初、海外配送業務が一番ハードルが高いかもしれません。
送料やら、関税、税金、送り状やインボイスとか頭が痛いですよね。
Shopifyでは、この辺りがテンプレート化されてたり自動作成・計算とかもできるので、頭の痛いところを軽減してくれます。
(※軽減してくれますが全部お任せではないです、自分でも勉強してくださいね。)
- NEWS補足:中国JD.comとの連携
- 2022年1月19日のニュースで「Shopify」と中国の「JD.com」が提携すると発表がありました。
JD.comとはAlibabaと並ぶ中国2大オンライン小売で、インフラ・ロジスティクスがすごく強いんです。私、10年前に上海駐在していたんですが、そのころからJD.comはインフラにめちゃめちゃ投資していて、10年前に当日配送を実現してました。当時はすごいことでした。今回の提携はそういったインフラ・ロジスティクスの面が強いですね。北米から中国マーケット(JD.comの5億人)に高速でアプローチすることができるようになります。
日本からでもこの商流には乗れるので中国市場を狙ってる方にはいいニュースですね。
Shopifyの成功事例
では、実際にShopifyを使って成功してるECサイトを3つほど紹介したいと思います。
Bento&co(https://en.bentoandco.com/)
日本のお弁当文化にはまった京都在住のフランス人のトマさんが運営されてるサイトです。このフランス人の方、テレビでよく紹介されてますので知ってる人多いかもしれません。
主にヨーロッパ・オーストラリアに向けて販売されてるようです。
実店舗も京都にあって「BENTO&CO KYOTO STORE」という名前です。
Shopifyアプリ「Ship&co」開発して出荷管理システムを提供してます。
(人気サイトになると自分たちに100%マッチしたアプリが必要になってくるんでしょうね)
Solaris Japan(https://solarisjapan.com/)
日本のアニメ・ゲームが好きだったドイツ人のジェイコブさんが運営されてるサイトです。
世界中へ日本のゲーム・アニメグッズなどを販売してます。
10年ぐらい前から運営されてて途中からShopifyに移行したようです、Shopifyに移行しレスポンスが良くなってから現在の成功にいたったようです。
Shopifyアプリも2つ出していて、3つ目開発中のようです。
COHINA(コヒナ)(https://cohina.net/)
上に紹介した2つは越境ECですが、「COHINA(コヒナ)」は国内向けです。
創業者(2人)は小柄な女性で、自分たちに合うサイズが少ないことから、小さいサイズ女子のためのファッションブランドのECサイト「COHINA(コヒナ)」を起ち上げました。
EC知識ゼロから始めたらしいです。
商品の「wishリスト作成」アプリを使ったり、「instagram(インスタグラム)連携」アプリなど巧みに使ってマーケティングをやって現在の成功にいたったようです。
Shopifyのデメリット
設定簡単じゃない、UIが使いづらい!?
確かにShopifyが断然簡単かというと、そう思わない人もいるでしょう。UIも使いづらいし。
おそらく「BASE」とかのほうが簡単なんだと思います。(よくテレビでCMしてますよね)
知り合いのカメラマン(WEB知識ゼロ)も簡単に販売サイト作ってました。
でもこれは、「個人が手軽に」って感覚に近いと私は思っています。
中小企業さんがECをビジネスと考えた場合、いろいろ機能を持ってて、いろいろできるほうがいいわけで。そういう条件の中では、若干UIにクセはありますがShopifyは拡張性の高いECサイトが簡単に構築できます。
費用が高い!?
Shopifyは月額費用が29米ドル(3千円前後)かかるので、無料プランも用意している低価格ASPカートと比べると高いと感じるかもしれません。
でもその分、Shopifyは販売時の手数料が安く設定されていて、おそらく数十万円の売り上げたら月額費用分は吸収されてしまいます。
むしろ50万円売り上げたら、結果的にShopifyのほうが総費用は安いです。(企業だったら50万円以上の売り上げ目標立てますよね)
あと、Shopifyと同等機能をもっているASPカートは月額使用料1万円前後しますので、それらと比べても安いと思います。
手取り足取り教えてもらいたい人は不向き
困ったときShopifyは、FAQやコミュニティを見るのがメインで連絡する場合はメールとかになるので
- 「設定・登録方法など細かく電話で教えてほしい」
- 「いつでも聞けるサポートサービスが充実してるほうがよい」
を求める人には不向きかもしれません。
日本のASPカートのほうが電話で丁寧に教えてくれるので、そっちを選んだほうが正解でしょう。
定期通販は不向き!?
定期通販に関しては、これは日本のお家芸みたい販売法なので、現段階ではShopifyは不向きです。
定期通販は経験しないと分からない部分があって、設定や運営方法が細かいんです。例えば「休眠どうするのとか?」「値引価格の戻しのタイミング」とか、単品販売だったら必要ないことがたくさんあります。
日本のASPカートは定期通販の経験が豊富なのでよく考えられてます。やはり定期通販は日本のASPカートを使用したほうが安心・安全です。
(今後Shopifyが成熟してきたら変わるかもしれませんが)
Shopify(ショッピファイ)オススメのまとめ
長々と書きましたが、やっぱり中小企業さんには
- 開店したければすぐできる!設定簡単
- 拡張性がたくさん(アプリ)
- 越境ECに強い
などからShopifyはオススメできると思います。
本格的にゴリゴリに作りこみたければ「Shopifyエキスパート」というShopifyが認定したプロの制作者もいるので安心です。
ASPカートは一度決めたら、別のASPへの移転は結構面倒です。(お客様の決済情報などは再度登録が必要だったりするので。)
将来性をよく考えて自分たちにあったASPカートを選んでください!!